さわりたい

ニートの日記と詩

 

 

目覚めるとずぶ濡れ、裸だった。

 

何があったかどうにも思い出せなくて頭を軽く振ってみたり頰をつねって見たりした、特に何か起こる訳でもなく、何も思い出せなかった。生ぬるい風が吹いている、この風は朝や昼に感じる風とは違う、ベタつく物を纏ってはいるがこれは夜風だ、そう確信し今が夜である事を知った。季節は多分夏、この生ぬるい風とジメジメした暑さは夏に違いない、一人で納得してうんうん唸ってみる、他に賛同者はいない、とちうか周りには誰もいないのだ、自分一人。ここが何処なのかも知らない、ただ薄ぼんやりとした空間にずぶ濡れで裸の自分がいる、なんでここにいるんだっけ、考えても考えても答えが出てこない。どうしようか、もうこのまま寝ちゃおうか。よし寝てしまおう、目を瞑り深く息を吸い込む、土の匂いや雨の匂い湿気の匂い朝の匂い虫の匂い火薬の匂い祭りの匂い海の匂い夏の匂い。意識が遠のいて行く、夏の匂いがまだ沢山する草木や虫の音、あぁ、まだ外は夏なのか。

 

秋はまだお呼びじゃないのか

 

自分が何なのか思い出したのは意識が遠のくほんの数秒前、そう、秋だった。早く目覚め過ぎて夏に水でもかけられたんだなぁ、今年の夏は随分と意地が悪いと思う、去年は早く目が覚めたけど水なんてかけられなかったのに、だけれどまだ出番じゃないならもう少しだけ眠らせてね、あと少し待ってて。

 

もうほんの少しだけ

おやすみなさい

過ごしやすい秋を待っててね