さわりたい

ニートの日記と詩

2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

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鱗を隠して嘆いて刺して王子様は逃げて行く ついにはルビーの心臓さえあなたは奪って逃げて行く 何処までもと伝わる息は虫のよう サファイアの涙が泣いたいつかは還る砂漠の海を渡る方舟一艘限り

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日没も共に死ぬ 遠く聞こえる汽笛に耳を傾ければいつかの音楽、聴こえてくる小さな灯火乗せた列車消えてしまわぬようにと震わせる体蠢く胎動に顔を歪める伝わる体温1.2.3で飛び出す時系列が歪曲する瞬間日没が死んでしまう

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笑う夕陽に背中向けて佇む少年泣き止んで頬伝う涙を拭って歩けど歩けど先は長く夕陽は絶えずに笑っている

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地球が落ちてきたあの日続くはずの途絶えた記憶に樹海が木霊する樹々の中和挫折したはずの晴れた雨の日時折見せる温度と落日に実を結ぶ

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赤の葉に 酔いしれ水面 映し出す想い巡れど 水面は揺れて

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かつて宇宙船を見たことがある忘れ去られた宇宙船を見たことがあるそこには何も無くて ただただ茫然とするしかなかった かつてはいつかは忘れ去られいつかはかつてになり、繰り返し繰り返し。

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燃える女発火する唇嘯き躓き引き攣り震わす体に宿れる肉体

9

金木犀 いつかの香り 金木犀の香りが恋しくて ベランダに出てみるのだけれど 金木犀は探しても見当たらなくて あぁ、此処には無いのだったと思い出す 幻臭であろうがあの甘い香りが鼻腔を刺激している 肌寒さを覚え 雪虫の群れを見ると もう冬はすぐそこに迫…

8

目を閉じてはいけない 永遠が逃げてしまうから 閉じかけた少女の瞳は何を捉える 幼きあの日、少女は確かに夢を抱いた それがどんな夢だったかもうわからないだろう 永遠が逃げてしまわないよう 短い記憶の早戻し 閉じかけた少女の瞳は何を捉える 幼きあの日…