さわりたい

ニートの日記と詩

2014-01-01から1年間の記事一覧

19

肉体との別離沈黙を破る事無く肉体はそこにあるそこにあるのは肉体であり肉体は沈黙を貫いていた何故何も言わないと肉体を怒鳴りつけると肉体は笑いながら魂を喰い散らかしていったそのまま肉体は魂と永遠の別離を図る

18

少女の円を描く孤独にうずくまる少女埋葬される記憶の中にいつかの大人眼球の中に潜む永遠は何を言うのか深海へと続く螺旋は肉体を蝕み少女を海底へと引き摺り込む次に私が少女になれたのなら大切に大切に永遠を育ててみよう少女の縁を描く

17

深く落ちる深海や否応無しに判断する人々モノクロに生きる横断歩道呼吸する事を止めた首吊り死体さっきまで生きていた一秒後は死んでいた息を吹き返すはずと思っていた二秒が経っていたそんな事はないはずと思っていた十秒後には過去の過去になっていた生きる

16

石を投げ付けてみたが反応が無かった壁はただただ眼前にあった存在は移ろいやすいと教えてもらった事がある今の自分は存在しているかどうかすら定かではない目の前にある大きな壁はいつまでも何も言ってこない壁が壁であるという定理はとっくの昔に捨てたは…

15

道路にもいる人魚の痕跡は無く埋れる歴史の礎荊の道をひたすらに進め前にある道が道でなくともそこは海である事に変わりはないのだからいつまでも続く螺旋のような墜ちる両眼明日が昨日、または明後日であるように記録や記憶の残骸を散りばめては集め一人遊…

15

魔法が解けて行く少女の幻想は夜に沈む決して誰一人許す事無く夢想は詩人の口笛のようだ創造する事が出来なくなると死ぬ女は泳いでいた、夜を泳いでいた女はいつからか女になっていた殻を破る時、一歩先が見えずにいた暗闇を漂う存在にならないようにと女は…

14

金木犀一秋はすぐ側でずっと待っていた皆が秋の訪れを感じるのはいつだろうじっと気付いてくれるのを待っていた丘の上の金木犀金木犀二秋の訪れを感じないと人々は不安気暑くもなく寒くもなくそんな日々が続くまるで季節の流れが止まったかのように街の中、…

13

思い馳せあなたのために 結い止める小指の記憶 いつか千切れる

12

しまうまとらうまちゃとら咆哮芳香矯正とらうまにくしみかなしさ諦め羞恥事実乳房を切り捨て子宮を抉り取り女である事を忘れ誇りすらも偶像へ消える経血の香りが漂う室内で朽ちるあの日、私は確かに子宮が割れる音を聞いた膣の中にガラス片が散らばったぱち…

11

泳ぐ姿は金魚のようまるで果てては 消えて行く

10

駅前にいつもいる猫はメスなのに名前が太郎だった。太郎は別に有名な猫って訳じゃない、ただ私が太郎を見つけた時に太郎に餌をあげていたお爺さんがその猫を太郎と呼んでいたからその猫は太郎なんだなと自覚するぐらいであって野良猫が多いこの街で人間にと…

9

明日には帰るからまた昔みたいに飲もうよ電話越し、友人の一言に私は嬉々としていた。友人に会うのは随分と久しぶりで今にでも声を大にしてやった!と叫びたいくらい。この友人と私は古くからの仲で山程色々な経験を一緒に積んできた、経験ではなく人生の少…

8

束の間に朝昼は過ぎて行き黄金の調べ太陽が消えかかり月の舟が夜動き出す地球の端っこでは水がどばぁっと溢れオールを漕ぐと何度も何度も地球が笑った

7

女はいつかお姫様ではなくなり新しいお姫様に殺されるもう二度とお姫様には戻れないそうして少しずつ壊れてゆく世界を片目で見つめながらぼんやりしている以前は自分でもお姫様を殺していたのに反転お姫様はお姫様でなくなると気付く犯した罪は崩れゆく顔と…

6

美しくあれば明日にでも紅い花が咲く朝露をおびた葉は幽かに揺れるだろう薄く膜を張った空は空洞羽化していく横たわる肢体は白く動く事は無かった

5

赤い季節白くなる息 近付けば縮こまる冬 暖炉が灯る

4

無人の朝 人気なく 漂う暑さ来ること知らず ぼうぼうと待つ2014.9.2

3

少女の心は揺れる少女の心は神秘だ微かに揺れて眠り続ける白い繭の中で永遠におやすみよ心に眠る永遠の少女達へ

2

まわるオルゴールまわす洗濯機まかす仕事まじる色ひかる稲妻落雷ひるむ肉体心ひねる煩悩ひらく頭キコキコあける穴ずしずし響く痛みどかどか来る眩暈キリキリ音する朝血色和式便所経血尿と濁る宇宙の音がするそれは便所からだ

1

薄れ行く記憶の中あなたの繭を壊すそうしてそのまま私があなたの繭に入りあなたから私の記憶を亡くす記憶は一つの記録にしか過ぎない透明な繭の中私は何一つ思い出せないままあなたの匂いに身を任せながら眠りについた

深海ラブレター

深海ラブレターあなたに届けます泳げなくてもあなたに届けます息継ぎができなくてもあなたに届けます水が怖くてもあなたに届けます光が届かない深海でもあなたに届けます深海ラブレター

例えば今日、明日、明後日の出来事

予想もつかない出来事は多々あるのみでそれを回避する方法は実は簡単に見えてとても難しい事である数ある記号の中、何と何の組み合わせが正しいかとか、意味の無い文字列に意味があるのかとかそんなのは実はとてもどうでもいい事である自己完結する物語はい…

少女の肢体

凝視する両の目悩ましい香りは鼻をつく少女の肢体に何人が夢を見たのだろうかいつかあなたの少女も肢体を抱かれるのでしょうそうして少女は柩の中から救いの手を差し伸べてくれる王子様を探すでしょう王子様は果たして本物の王子様なのか否やいずれわかる時…

無記

魚の目が動かない人間の目はもっと動かないだからきっと人間は魚よりも劣っている幼い頃、水族館に夢を見ていたガラスの向こう側は海のようで海を知らない私にとってそこは胎内だった水が神秘的な生き物に思えた、水はねっとりと纏わり付くように魚を守り、…

奇説

奇妙な音に耳を傾け訪れる夜の恐怖感を味わうピカピカ光る暗がりにキラキラ照らす意識を燻らす口を付けたティーカップがかたかたと一人でに動き出すまであと何秒あるか数式を生み出すまでに一体人類はどれくらいの日数を費やしたのか鼻が性器に繋がり鼻腔が…

だから

誕生日は死にたくなるんだクレヨンで書いた絵は霞む赤い蝋燭は女を殺す

ランプが落ちてくる

ランプが落ちてくる星のランプが落ちてくる割れると飛び出す流れ星今日も何処かで見れるといい月のランプが落ちてくる割れると飛び出すうさぎ達ぴょんぴょん跳ねて何処へと太陽のランプが落ちてくる割れると飛び出す夜の闇太陽消えて無くなり夜の世界

考える

真昼間からビールを飲みながら考える例えば夕食が高級フレンチでも腹は満たされるが何もないとシェリー酒が飲めても酒に呑まれる事は無いと真昼間からビールを飲みながら考えるお気に入りの音楽を聴いて歩き出すその足取りは軽いか重いか軽ければ軽い程良い…

「水槽見てよ」「あ、死んでるね」「残念だね可愛がってたのに」「また買えばいいんだよ」「買うの?飼うんじゃなくて?」「買って飼うんだよ」「そう」「うん」「それ、頂戴」「え」「魚の鱗は綺麗だから食べたらきっと綺麗になれるような気がしてずっと思…

ぬるまゆ

布団にくるまりながら目覚ましの音をきいていた。寒空は空気を凍らせ冬の一日を告げている。テーブルには読みかけの小説が何冊か置いてある、何冊も同時に読んでしまっているせいでどれがどの小説なんだか区別がつかず小説の内容がごちゃまぜになってしまっ…